一般のお客様がご自宅などの塗り替え工事をされようとした時に、どのような塗装会社に依頼すれば安心して工事をすすめてくれるのかということが一番悩まれるところだと思います。
塗装会社にもいろいろ特徴があり、なかには粗雑な工事で高価な金額をとっていくような業者や、反対に丁寧な施工で良心的な金額で工事をする業者もいます。
そのようなお悩みのアドバイスになればと考え、「深イイ話その1」では塗装会社の種類について詳しくお話ししてみたいと思います。
塗装会社の種類について
お家の塗り替えをする場合に、塗装会社に依頼されることになりますが、その塗装会社は大きく分けて3種類の業務形態からなるもの分けることが出来ます。
それぞれの特徴については以下のようなことがあげられます。
訪問販売系
塗装工事を商品と考えているのがこの系の会社の特徴で、金でも先物取引でも売れば何でもよく塗装工事もその手段の一つとして捉えている事が多い。
工事に関しては深い知識も経験の蓄積は皆無に等しく、高価な金額で受注し安価な金額で下請けに発注し利ざやを大きく稼ぐ事に腐心する業者が大半である。
- 特徴
- 訪問時に必ず下記のような営業文句を使う。
「この地域でのモニターを募集しています。」
「戸建ての実績がないので実績つくらせてください。」
「塗料費と少しの手間賃だけでいいです。足場代や職人の工賃はこちらで負担します。」
あるいは、断りもなく勝手に屋根等に上がり屋根材が割れている写真等を撮りそれを見せて勧誘する手口が多い。(割れてなくてもその時に割っているかもしれない)
クレームも多く、大手訪販会社はかなりの訴訟件数を抱えている。 - 形態
- 会社本体はインセンティブで雇用している営業職のみが大半を占めていて、工事は100% 下請け業者を使用する。
工事関係の職人や主任技術者等を直接雇用していないことがほとんどで、中には若干名メンテナンスの技術職を置いている会社も稀にある。
従って工事用の道具類や材料、保管する倉庫等も一切所有していないことが多い。
工事会社ではなくブローカー的形態が圧倒的。
このような現象があれば要注意!!
訪問販売系会社の見分け方ポイントはこれ!
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見積書の内容が簡易であり、数量も画一的なことが多い
(上記の理由から工事自体に根拠が乏しく詳しい見積明細を書くことが出来ないと思われる。
見積書に使用する数字が坪あたりいくらとか、1式いくらとかが多く根拠に乏しい) -
使用材料が不透明でカタログを提出しない
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驚くほど値引きをすることが多い(見積書の半額等、簡単に値引きすることが多い)
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短期間で工事をおわらせる(下請け業者の受注金額が安価なため)
ハウスメーカー系
なんと言っても「メーカー保証」を錦の御旗としているハウスメーカー系。
書類関係の現場管理はハウスメーカーらしくそつがなく、安心を感じますが、「メーカー保証料」としての費用がお客様に提供している工事そのものの費用に大きく上乗せされるため、工事費が高額となりがち。
しかし施工を行う業者は概ね下請け業者なのが実態。
- 特徴
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- ハウスメーカーが母体となっている
- 自社で建築した物件を主に営業している(自社物件営業)
- なんと言っても!「メーカー保証」を錦の御旗としている
- 工事費が高額である
- 一度でも他社で塗替工事等を施工すると一切の「メーカー保証」が受けられないと通告し営業する
- 書類関係の現場管理はハウスメーカーらしくそつがない
- 形態
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- 塗替工事を担当しているのは母体会社の一部署か子会社である場合が多い
- 資格取得者をチームに少数保持しているが、ほとんど現場経験のないペーパードライバー的な担当者が多く、お客様の家に会わせた工事の見立てや材料選択等は概ね下請け業者か塗料メーカーの担当者任せ
- な塗替工事の見積も提携先塗料メーカーの担当者が見積もりしていることが多い
- 提携先塗料メーカーの担当者は営業職であるため、マニュアル通りの工事見積対応である
- 万が一工事や塗料に不備があった場合を想定し、提携先塗料メーカーに材料選択や工事見積をさせる(メーカー 保身)
- お客様に提供している工事そのものの費用は一般的な汎用のものである
- その分工事としてはコストパフォーマンスは低い
一見、安心な「ハウスメーカー系」ですが、
その中身は下請け業者任せの仕事がほとんどです。
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提携先塗料メーカー任せの見積もりが多いため、画一的な見積になる
(そのため、その家、その家にあった工事の提案や材料選択がされていない事が多い。) -
工事自体の見立てが甘く、見積内容の不備や、抜けている工事が多い場合が多い。
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提携先メーカーの塗料しか使用できないため、塗料選択や工法に制約が掛かることになり、
お客様に最良の提案が出来ないことが現状。 -
①・②・③のような場合でも、お客様からのクレームがない限りはそのまま施工する場合がほとんどで、
お客様からの依頼があれば追加工事として工事費を加算され請求される。
結果的に高額な工事費に対して、お客様に残る対価・価値(塗替工事の質)
は安価なものになるがメーカー保証はつづく。
工事施工店系
実際の施工を行う技術を持っている『工事施工店系』。
職人気質で、営業トークは苦手な人が多いため、良さや安心感が伝わりづらいがお客様のことを考えて
施工を選べる知識、技術を持ち合わせている。
工事の内容について詳しく確認すると、『工事施工店系』のメリットがご理解いただけるはずです。
- 特徴
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- 実際に塗装工事を施工する会社のことをいう。
- 『事務所、店を構えている法人』『自宅で事務所を兼用している個人経営』『店を構えていない親方経営』の3種類がある。
- 店の規模によって資材倉庫をもち、工事用の道具、機材を所有し材料も販売店より直接購入して、実際に工事行う。
- 「訪問販売系」「ハウスメーカー系」の会社に工事依頼しても実際に施工するのはここで紹介している工事店である。
- 形態
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- 業界用語で言うところの「のちょうば」と「まちや」の工事店に分かれる。
- 「のちょうば」とは大規模工事を施工するのを主とした工事店でゼネコンなどの下請け業者などのことをいい、大規模の法人工事店が多い。
- 親方経営の工事店も「のちょうば」をグランドにしていることが多いが、大半は法人工事店の下請けとして働いている。
- 「まちや」は地元の小規模工務店の下請けや戸建て住宅の塗り替えなどを主とした工事店のことをいい、中小規模の法人・個人の工事店が多い
- 法人・個人共に工事店によって仕事に対する考え方や能力に差があり、その差が一般の方の受益の差となるケースが多い。
- 塗装だけの工事店があれば、他にそれに付随する工事やリフォーム等まで総括的に工事を行う工事店もある。
「訪問販売系」「ハウスメーカー系」に工事を依頼しても実際に施工しているのはこの「工事施工店系」なのです!
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多数有るため、工事店の特徴や差が分かりづらく、判断に迷うことが多い。
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工事店の能力差が仕上がりに大きく影響するが、一般の方から見ればはわかりにくく業者選定に迷う方が多い。
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業者選定の見極めが難しく、判断基準を施工金額だけに注目してしまいがちになり、
適切な業者で適切な工事なのか不安なまま発注してしまうケースもある。
お客様にとって、支払った金額に対して適切な対価を得られるのが「工事施工店系」です。
数ある業者からぴったりの業者を選ぶには、直接お話ししていただくのが一番です。
(お話が苦手な方が大半ですが・・・)
さらに!工事店系のお店からさらに業者を見極めるポイントのご紹介はこちら
→ 「外壁塗装で失敗しないために」